メニュー

男性更年期障害(LOH症候群)

男性更年期

男性更年期は、加齢に伴い男性ホルモン(テストステロン)の分泌量が徐々に低下することで起こる様々な症状の総称で、LOH症候群(Late-Onset Hypogonadism)とも呼ばれます。女性の更年期に比べて進行が緩やかなため、気づきにくいこともあります。

症状

症状は多岐にわたり、精神的な症状、身体的な症状、性機能に関する症状などがあります。

  • 精神症状: 意欲低下、疲労感、集中力低下、イライラ、不安、抑うつ気分、睡眠障害など
  • 身体症状: 筋力低下、関節痛、骨密度の低下、ほてり、発汗、めまいなど
  • 性機能に関する症状: 性欲低下、勃起不全(ED)など

これらの症状が複数現れ、日常生活に支障をきたす場合に男性更年期が疑われます。

診断

症状の問診に加え、血液検査で男性ホルモン値を測定し治療の適応を判断します。

項目 診断の参考値(目安)
総テストステロン

250 ng/dL未満

遊離テストステロン 7.5 pg/mL未満

総テストステロン値が基準値以下であっても、遊離テストステロン値が保たれている場合は、症状との関連性を慎重に評価します。遊離テストステロンは、実際に体内で働く活性型のテストステロンであり、より症状と関連が深いと考えられています。
またテストステロンは朝高く夜にかけて低下するため(日内変動)、正確な診断のために午前中に絶食での採血をお勧めしています

治療

治療の基本は、低下したテストステロンを補充するテストステロン補充療法です。注射、塗り薬、内服薬(漢方薬)などの方法があります。症状の改善やQOL(生活の質)の向上、骨密度の維持などが期待できます。

ただし、以下のような場合はテストステロン補充療法の適応とならないことがあります。

  • 前立腺がんの既往または疑いがある場合
  • 未治療の重度の睡眠時無呼吸症候群
  • コントロール不良の重度の心不全
  • 赤血球増多症

また、PSA(前立腺特異抗原)値が 2.0ng/ml 以上の場合場合も、前立腺がんの可能性を考慮しテストステロン補充療法は行いません。

男性更年期は、適切な診断と治療により、症状の改善が期待できる病気です。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME