前立腺炎
前立腺炎とは
前立腺炎は、男性特有の臓器である前立腺に炎症が起こる病気です。年齢に関わらず発症し、症状や経過は様々です。大きく分けて、細菌感染による発熱を伴う急性細菌性前立腺炎と発熱を伴わない慢性細菌性前立腺炎、そして細菌感染が明らかでない慢性非細菌性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群)に分類されます。
症状
- 急性細菌性前立腺炎: 急な高熱、排尿痛、頻尿、残尿感、会陰部や下腹部の強い痛み、排尿困難など。
- 慢性細菌性前立腺炎: 繰り返す排尿痛、頻尿、残尿感、会陰部や下腹部の不快感、射精時の痛みなど。急性期に比べ症状は軽いことが多いです。
- 慢性非細菌性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群): 会陰部、下腹部、腰などの慢性的な痛みや不快感、排尿症状(頻尿、排尿困難など)、性機能障害など。症状は多様で、精神的なストレスも関与することがあります。
治療
治療法は、前立腺炎の種類によって異なります。
- 急性細菌性前立腺炎: 抗菌薬の投与が中心となります。発熱があり重症の場合は入院による点滴治療が必要となることもあります。
- 慢性細菌性前立腺炎: 植物エキス由来のセルニルトンの内服をはじめとして、症状の強い時には抗菌薬の投与が行われます。
- 慢性非細菌性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群): 薬物療法(鎮痛薬、α遮断薬、漢方薬など)、生活指導(排便習慣の改善、適度な運動)、理学療法、心理療法など、様々なアプローチを組み合わせた治療が行われます。
前立腺炎の症状は多岐にわたり、慢性化しやすい病気です。排尿時の不快感や痛み、会陰部の違和感などが続く場合はご相談ください。適切な診断と治療で、症状の改善とQOL(生活の質)の向上を目指します。