前立腺肥大症
前立腺肥大症とは
前立腺肥大症は、膀胱の出口にある前立腺が加齢に伴い大きくなり、尿道を圧迫することで排尿に関するさまざまな症状を引き起こす病気です。加齢とともに徐々に症状を認めるようになり、70歳代では10人に1人の割合で認めます。また重症の場合には尿が出なくなる事(尿閉)をきたす場合があります。
症状
- 排尿困難:尿が出にくい、勢いが弱い、途中で途切れる、
- 頻尿:特に夜間のトイレ回数が増える(夜間頻尿)
- 残尿感:排尿後もすっきりしない
- 尿意切迫感:急に強い尿意を感じる
- 尿漏れ:トイレが終わった後に尿が漏れる(追っかけ漏れ)
- 尿閉(重症の場合、まったく尿が出なくなる)
診断
- 尿検査・血液検査(感染や腎機能障害の有無を確認)
- 超音波検査(前立腺の大きさや残尿の量を測定)
- PSA検査(前立腺がんの可能性をチェック)
治療法
薬物療法
- α1遮断薬(タムスロシン、シロドシン):前立腺の緊張を緩め、尿を出しやすくする
- 5α還元酵素阻害薬(デュタステリド):前立腺の肥大を抑える
- PDE5阻害薬(タダラフィル):血流を改善し、排尿をスムーズにする
薬物療法で効果が不十分な場合は、手術や尿道カテーテル留置が必要な場合があります。