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梅毒について

梅毒とは

梅毒は、梅毒トレポネーマという病原体に感染することで起こる感染症で、性行為によって感染します。
陰部や口、肛門などの粘膜を介して感染し、男女間だけでなく、男性同士、女性同士でも感染し、近年は感染者数が急増しています。早期に発見し適切な治療を行えば完治する病気ですが、放置すると様々な臓器に影響を及ぼし、重篤な状態になることもあります。

症状

梅毒の症状は、感染からの期間によっていくつかの段階に分けられます。

  1. 第1期梅毒(感染後3週間~3ヶ月頃)

    • 感染部位(陰部、口唇、口腔内、肛門など)に初期硬結と呼ばれる硬いしこりができます。痛みがないことが 一般的です。
    • しこりが破れて硬性下疳という痛みのない潰瘍(ただれ)になることがあります。
    • 股の付け根(鼠径部)などのリンパ節が腫れることがありますが、通常 痛みはありません。
    • これらの症状は、治療をしなくても数週間で自然に消えることがありますが、病原体は体内に残っており、感染力もあります。
  2. 第2期梅毒(感染後数ヶ月~数年以内)

    • 病原体が全身に広がり、様々な症状が現れます。
    • バラ疹と呼ばれる、手のひら、足の裏、体幹などに現れる特徴的な赤い発疹が出ることがあります。かゆみや痛みがないことが多いです。
    • 口腔内や喉に粘膜疹ができることもあります。
    • これらの症状も、治療をしなくても数週間から数ヶ月で自然に消えることがありますが、感染は進行しています。
  3. 晩期顕性梅毒(感染後数年~数十数年)

    • 治療を受けずに放置すると、皮膚や粘膜、骨などにゴム腫と呼ばれるゴムのような腫瘍ができたり、心臓、血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ、重篤な合併症を引き起こすことがあります。
    • 神経梅毒による麻痺や認知症、心血管梅毒による大動脈瘤などが起こることがあります。

潜伏期間

梅毒の潜伏期間は、感染してから症状が現れるまでの期間で、平均3週間程度(10日~90日)とされています。しかし、感染しても症状が現れない無症候性梅毒の場合もあります。

検査

梅毒の検査は、主に血液検査で行われます。

  • STS(血清学的梅毒反応) 梅毒に感染すると体内で作られる抗体を調べる検査です。RPR法やTPHA法などがあります。
    • RPR法(脂質抗原法) 梅毒の活動性を反映しやすい検査で、治療効果の判定にも用いられます。
    • TPHA法(梅毒トレポネーマ抗体検査) 梅毒の抗体を調べる検査で、過去の感染歴も陽性となることがあります。
  • 感染初期には抗体が検出されない期間(ウインドウピリオドがあるため、感染の可能性がある場合は、時期を置いて複数回の検査が必要となることがあります。

TPHA 

RPR 主な解釈

(-)

(-) 梅毒に感染していない状態、または感染初期で抗体が検出されていない可能性(感染のごく初期の可能性)
(-) (+) 梅毒の感染初期、または生物学的偽陽性の可能性
(+) (-) 過去に梅毒に感染し、抗体(TPHA抗体)保有者の状態
(+) (+) 現在梅毒に感染している可能性が高い、または治療後も活動性があるか、治療反応が遅い可能性、または過去の感染の可能性

治療

梅毒の治療は、抗菌薬(主にペニシリン系)の投与が基本です。

  • 早期梅毒(第1期、第2期、早期潜伏梅毒): 抗菌薬の内服または筋肉注射を行います。治療期間は病期によって異なりますが、内服薬は通常4~6週間程度です。
  • 晩期梅毒、神経梅毒など: より 長期間の抗菌薬の点滴治療が必要となる場合があります。
  • パートナーの同時治療: 感染者だけでなく、パートナーも検査を受け、必要に応じて同時に治療を行うことが非常に重要です。再感染を防ぐために、お互いに完治するまでは性行為を控えてください。
  • 治療後は、血液検査で治療効果を確認するための経過観察が必要です。医師の指示に従い、定期的に検査を受けましょう。

梅毒は早期に発見し、適切な治療を行えば完治する病気です。感染の可能性がある場合は、ためらわずに泌尿器科を受診してください。

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