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性感染症(淋病、クラミジアなど)

性感染症とは

性感染症(STD/STI)は、性行為によって細菌やウイルスなどの病原体が、主に性器、尿道、咽頭などに感染する病気の総称です。性器だけでなく、オーラルセックスによって咽頭にも感染することがあります。放置すると、男性では精巣上体炎による不妊、女性では骨盤内炎症性疾患(PID)による不妊や子宮外妊娠など、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。代表的な病原体として淋菌、クラミジアがありますが、近年ではマイコプラズマによる感染も増加傾向にあります。

男性の主な症状は、排尿時の痛み、尿道からの膿のような分泌物(下着に付着することもあります)、尿道のかゆみなどですが、無症状のこともあります。

女性の主な症状は、おりものの量や性状(色、臭い、粘り気など)の変化、不正出血、下腹部痛、性交痛、排尿時の痛み、外陰部のかゆみや不快感など多岐にわたりますが、無症状のことも多く、感染に気づきにくい場合があります。

原因となる病原体によって、症状や治療法が異なります。

当院では、男性に対する尿検査だけでなく、女性に対する子宮頸管粘液検査、オーラルセックスによる咽頭感染に対応した咽頭うがい液検査など、様々な部位の検査に対応しております。
(* 咽頭うがい検査は正しい検査結果を得るために、検査1時間前からは食事・うがい・歯磨き・ガムをかむことなどは避けてください)

気になる症状がある方、感染の不安がある方は、ご遠慮なくご相談ください。

主な原因菌と特徴

淋菌性

原因

淋菌(Neisseria gonorrhoeae)という細菌による感染。主に性行為によって感染します。

症状
  • 男性: 潜伏期間は2~7日程度。排尿時の激しい痛み、尿道からの多量の膿のような分泌物(黄色~黄緑色)、尿道の強いかゆみ。
  • 女性: 潜伏期間は数日~数週間。初期症状は軽いか無症状のことも多く、気づきにくいことがあります。おりものの増加、排尿痛、下腹部痛などが現れることがあります。子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患(PID)を引き起こす可能性があります。
治療:

抗菌薬で治療しますが過去には有効であった抗菌薬(キノロン系抗菌薬)に対し、耐性を持つ淋菌が増加していることが問題です。現時点ではセフトリアキソン1回の点滴が最も有効とされています。
また治療後2~3週間で再検査を行い、尿道炎の治癒を確認することが大切です。パートナーも同時に検査・治療が必要で、お互いに治癒が確認できるまでは性交渉は控えてください。

クラミジア

原因

クラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)という細菌による感染。こちらも主に性行為によって感染します。

症状
  • 男性: 潜伏期間は1~3週間程度。排尿時の軽い痛み、尿道の不快感、透明~白色の少ない分泌物。無症状のこともあります。精巣上体炎を引き起こすことがあります。
  • 女性: 潜伏期間は数日~数週間。約8割が無症状と言われています。おりものの増加、不正出血、下腹部痛などが現れることがあります。子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患(PID)、不妊の原因となることがあります。
治療

抗菌薬の内服薬で治療します。アジスロマイシンという抗菌薬を1日分内服するのですが、近年 抗菌薬に対して耐性を持つクラミジアの報告も出てきており、治療効果が十分でない場合は別の抗菌薬への変更が必要となることがあります。淋菌性と同様に、治癒の確認が重要で、パートナーも同時に検査・治療が必要です。お互いの治癒が確認できるまでは性交渉は控えてください。

マイコプラズマ・ウレアプラズマ尿道炎(非淋菌性非クラミジア性尿道炎)

原因

マイコプラズマ・ジェニタリウム(Mycoplasma genitalium)やウレアプラズマ・ウレアリティカム(Ureaplasma urealyticum)などの細菌による感染。性行為感染症の一つです。

症状
  • 男性: 潜伏期間は1週間~数週間程度。排尿時の軽い痛み、尿道の不快感、わずかな分泌物。クラミジア感染症と症状が似ていることが多く、無症状のこともあります。精巣上体炎を引き起こすことがあります。
  • 女性: 潜伏期間は不明な点が多いです。おりものの増加、不正出血、下腹部痛などが現れることがありますが、無症状のことも多いです。骨盤内炎症性疾患(PID)、不妊の原因となる可能性があります。
検査

マイコプラズマ・ジェニタリウムのみ保険適応にて検査ができますが、淋菌、クラミジアと同時に検査を行う事は保険にて認められていません。淋菌、クラミジアを治療した後も症状が改善しない方に保険適応にて検査を行う事ができます。

治療

抗菌薬の内服薬で治療します。特にマイコプラズマ・ジェニタリウムは、多くの抗菌薬に対して耐性を持つことが報告されており、治療が難しいことが問題です。長期間の内服や抗菌薬の変更が必要になることも稀でなく、前述と同様に、治癒の確認が重要で、パートナーも同時に検査・治療が必要です。お互いの治癒が確認できるまでは性交渉は控えてください。

耐性菌について

近年、淋菌、クラミジア、マイコプラズマなどの原因菌において、抗菌薬に対する耐性菌が増加しており、治療が難しくなるケースが増えています。症状が改善しても、医師の指示通りに最後まで治療を続けることが、耐性菌の出現を防ぐためにも重要です。

大切なこと

  • 性染症が原因の場合、パートナーも同時に検査・治療を受けることが非常に重要です。
  • 症状がなくなったからといって、自己判断で治療を中断せず、また治癒確認の再検査もきちんと受けましょう。
  • 感染予防のため、性行為の際にはコンドームを使用しましょう。
  • 抗菌薬は医師の指示通りに服用し、自己判断で中止したり、量を変更したりしないでください。

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