ボトックス療法(ボトックス膀胱壁内注入療法)について
難治性過活動膀胱に対するボトックス療法(ボトックス膀胱壁内注入療法)について
1. 難治性過活動膀胱について
過活動膀胱とは、「急にトイレに行きたくなる(尿意切迫感)」ことを主な症状とし、頻尿や尿失禁を伴うこともあります。通常は、行動療法やお薬による治療が行われますが、それでも12週以上症状が続き、生活の質(QOL)に大きな支障がある場合は「難治性過活動膀胱」と診断されます。
当院では、このような難治性過活動膀胱に対して、ボトックス療法(膀胱壁内ボトックス注入療法)を行っています。
2. ボトックス療法について
ボトックス療法は、膀胱の過剰な収縮を抑えることで症状をやわらげる治療法で、保険診療として認められています。
局所麻酔を行ったうえで、内視鏡を膀胱内に挿入し、極細の注射針を用いて、ボトックスを膀胱の筋肉内に約20か所注入します。処置にかかる時間はおおよそ60分程度で、外来での日帰り手術が可能です。膀胱を切ったりはしないので痛みも少なくて済みますが、必要に応じて眠るお薬などを追加します。
効果の持続期間は約4〜8か月とされており、効果が切れたあとも前回の治療から4か月以上経過していれば、再度の治療が可能です。
3. ボトックス療法の適応となる方
・ 既存治療を12週以上行っても症状が改善しない、難治性過活動膀胱および神経因性膀胱の方
・ ボトックス療法を行うにあたっては、残尿量が 100ml 以下であることが必要です
・ 万が一尿が自力で出せなくなった時のために、自分(もしくは生活を共にされる方)で導尿ができることが必要です。
ボトックス療法について
ボトックス療法は、長くつらい排尿症状に悩まされている方にとって、有効な選択肢となり得ます。
過活動膀胱は日常生活に大きなストレスを与えるにもかかわらす、なかなか相談できずに悩んでいる方も少なくありません。
今では、お薬や生活習慣の工夫に加えて、こうした治療法も選べるようになっています。
どんな悩みでも、まずは気軽にご相談ください。