膀胱がん、腎盂がん、尿管がん(尿路上皮がん)
膀胱がんとは
膀胱がんは、膀胱の粘膜である尿路上皮にできるがんです。尿路上皮は、膀胱だけでなく腎盂(じんう)や尿管にも広がっているため、これらの部位にもがんができることがあり、それぞれ腎盂がん、尿管がんなどと呼ばれますが総称して「尿路上皮がん」と呼ばれます。
症状としては痛みを伴わない肉眼的血尿(無症候性肉眼的血尿)が特徴ですが、まれに改善の乏しい頻尿、排尿時痛などの膀胱炎症状でも認めることがあります。
また喫煙によって尿路上皮癌を発生するリスクは高く喫煙しない人と比べて3-4倍程度のリスクがあるとされています。
症状
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血尿(痛みなど症状の乏しい肉眼的血尿は要注意です!)
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頑固な頻尿、排尿時の違和感、痛み
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腎盂や尿管にがんがある場合は、腰や背中の痛みを感じることも
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進行すると、体重減少や疲労感などの全身症状が出る場合も
診断
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尿検査:血尿やがん細胞の有無を調べる
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尿細胞診:尿の中のがん細胞を顕微鏡で確認
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膀胱鏡検査:膀胱内をカメラで直接観察し、がんを確認
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画像検査(CT、MRI、超音波など):がんの広がりや他の臓器への転移をチェック
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必要に応じて**組織検査(生検)**を行い、がんの種類や悪性度を判断
治療
がんの進行度や広がりによって治療法が変わります。
● 早期がん(表在性がん)の場合
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経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT):尿道から器具を入れてがんを削り取る
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膀胱内注入療法:がんの再発を防ぐ薬を膀胱内に注入する(BCGや抗がん剤など)
● 進行がんの場合
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膀胱全摘出術:膀胱をすべて摘出し、尿の通り道を再建する手術
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抗がん剤治療(化学療法):全身にがんが広がっている場合に使用
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免疫療法:一部の進行がんに効果がある新しい治療法
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放射線療法:手術が難しい場合に用いることもある