アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す、慢性的な皮膚の病気です。皮膚のバリア機能が弱く、様々な刺激に過敏に反応しやすい体質が背景にあります。
症状
年齢によって症状の出やすい部位が異なりますが、顔、首、肘や膝の裏などに赤いブツブツやジクジクとした湿疹、乾燥したカサカサなどが現れます。強いかゆみを伴い、掻くことでさらに悪化する悪循環に陥りやすいのが特徴です。
原因
遺伝的な要因に加え、環境中のアレルゲン(ダニ、ハウスダスト、食物など)、皮膚の乾燥、ストレスなどが複雑に関与して発症・悪化します。
治療
治療の基本は、炎症を抑え、皮膚のバリア機能を高めることです。
- 薬物療法: ステロイド外用薬や免疫抑制外用薬で炎症を鎮めます。かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬の内服薬を併用します。
- スキンケア: 保湿剤で皮膚の乾燥を防ぎ、バリア機能を補強します。洗浄剤は低刺激性のものを選びましょう。
- 原因・悪化因子の対策: アレルゲンや刺激物をできるだけ避け、生活環境を整えます。
プロアクティブ療法について
プロアクティブ療法は、症状が改善した後も、再発予防のために定期的にステロイド外用薬などの抗炎症外用薬を塗布する方法です。従来の、症状が悪化した時だけ治療を行うリアクティブ療法に対し、良い状態を維持し、再燃を最小限に抑えることを目的としています。
プロアクティブ療法を行う期間や薬剤の種類、塗る頻度などは、定期的な診察の中で肌の状態に合わせて判断します。自己判断で中止せず、定期的に通院することが大切です。